診療記録026:折れた言葉、沈む影 診療記録:外科・外傷
約束していた再診の朝。診療所の扉は、いくら待っても開かなかった。 「……来ませんね」シシスが時計を見やり、低く呟いた。 仕方なく、私は竜騎士の宿を訪ねることにした。扉を叩くと、しばらくの沈黙の後、くぐもった声が返ってきた […]
続きを読む約束していた再診の朝。診療所の扉は、いくら待っても開かなかった。 「……来ませんね」シシスが時計を見やり、低く呟いた。 仕方なく、私は竜騎士の宿を訪ねることにした。扉を叩くと、しばらくの沈黙の後、くぐもった声が返ってきた […]
続きを読む「っ……痛っ……!」 杖に体を預けながら足を踏み出した瞬間、彼の顔が苦痛に歪む。三歩目で立ち止まり、額から滴る汗を袖で乱暴に拭った。 「……もう無理だ。跳躍どころか、歩くことすらできない……」声は小さく震え、悔しさと情け […]
続きを読む診療室の床に置かれた木製の歩行補助具。それを見下ろしながら、彼は小さく息を呑んだ。 「……足に、重さをかけるのが、怖いんス」 彼の右足首は、包帯の上からでもまだ硬さが残っているのがわかる。修復は済んだ。けれど、再断裂への […]
続きを読む夕刻、診療所の扉をノックする音。入ってきたのは、ガンブレードを担いだ肩幅の広いロスガルの男性。よろめきながらも、気力だけで立っているような様子でした。 主訴は高熱、悪寒、鼻汁に倦怠感。話を聞く限り、症状は2日前から出てい […]
続きを読む本日の患者様は、グリダニアが誇る精霊評議会の議長殿。三重の幻術皇の一角を担うお方が……書類の角で指を切って来院されました。 ……ええ、はい、確かに切れておりました。それも、紙一重どころか――かすり傷程度。 処置は迅速に行 […]
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