診療記録040:刃の下にあるもの 診療記録:人物記録・対話・非臨床 彼は診療所に入ると、一礼してから静かに立った。 暗灰色の髪を清潔に整えた、アウラ・ゼラの男性。侍として冒険者を続けており、刀を振るう姿は無駄がなく、安定している。 「……鱗が、少し荒れてい…続きを読む
診療記録039:削る手、光を生む 診療記録:人物記録・対話・非臨床 扉が開く前に、金属の匂いがした。研磨剤の白い粉と、油の薄い膜。袖に残る微細な粉が、光を吸って鈍く光る。 彼女が診療所を訪れたのは、約束の時間を少し過ぎてからだった。 「すみません。……どう…続きを読む
診療記録038:測るということ 診療記録:人物記録・対話・非臨床 その日は、扉を開ける前から声がした。笑い声。靴音。革の擦れる音。――薬草と消毒の匂いに、外の空気が混ざり込む。 診療所に集まっていたのは、私が運営するフリーカンパニーの面々だった。誰かが倒れたわ…続きを読む