診療記録031:竜槍の影、仲間とともに 診療記録:外科・外傷
「跳べただけじゃ……戦えない」彼は静かに呟いた。彼の視線は槍の穂先に落ちている。 確かに、小さな跳躍は成功した。けれど竜騎士の真骨頂は、戦場で仲間と共に敵へ挑むこと。その舞台に戻るには、まだ大きな壁があった。 そこで私は […]
続きを読む「跳べただけじゃ……戦えない」彼は静かに呟いた。彼の視線は槍の穂先に落ちている。 確かに、小さな跳躍は成功した。けれど竜騎士の真骨頂は、戦場で仲間と共に敵へ挑むこと。その舞台に戻るには、まだ大きな壁があった。 そこで私は […]
続きを読む「今日は、跳躍の動作に挑戦してみましょう」そう告げると、彼の肩が大きく震えた。 広場に立つ彼の足は固く、膝はわずかに笑っている。走ることはできた。だが“跳ぶ”となれば別だ。それは彼にとって誇りそのもの――そして、恐怖その […]
続きを読む診療所の裏庭に、木漏れ日の差す小道があった。今日はそこで、彼に軽い走行訓練を試みてもらうことにした。 杖を手放し、両足で地を踏む。その姿は一見、元の竜騎士の凛々しさを取り戻したかに見えた。 しかし――。 「……怖い」 一 […]
続きを読む先週、竜騎士は診療所の敷居をまたがなかった。リハビリを放棄し、心まで折れたまま、部屋に籠もっていたという。 そんな彼を診療所へ連れてきたのは、同じパーティのナイトだった。逞しい腕に半ば引きずられるようにして現れた竜騎士は […]
続きを読む妊娠32週。春の足音が聞こえ始めたある日、彼女はいつものように落ち着いた様子で診察室へ入ってきた。しっかりとした足取りながらも、お腹のふくらみは日増しに目立ち、まるで小さなかごを抱えているかのようだった。 「逆子、戻って […]
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