診療記録006:老いてなお、鋼たらんとす

種族
ミコッテ・ムーンキーパー / 男性 / 52歳
職業
鬼哭隊指導教官
主訴
打撲、腰痛
診断
腰椎捻挫(いわゆるぎっくり腰)
処置
治癒魔法により炎症を軽減。 冷却霊草膏を貼付し、交換用のものを処方。入浴後または就寝前の張替えを指導。

午後、訓練場から当診療所へ運び込まれたのは、
鬼哭隊の指導教官にして、“鬼教官”の異名を持つベテランのミコッテ男性。

訓練中、新人隊員の木刀を受け止めた際、
相手の予想以上の力にバランスを崩し、背中から転倒。
以降、自力では起き上がれず、搬送されたとのこと。

診察の結果は腰椎の軽度捻挫――いわゆるぎっくり腰
処置として、治癒魔法で患部の炎症を鎮め、
霊草を用いた冷却膏を貼付。交換のタイミングと貼付法も説明いたしました。


「……年齢による体力の変化についても、意識していただく必要がございます」

と申し上げたところ、渋い顔でしばし沈黙。
それでも最後には、静かに頷かれました。


私的記録:

「まだ若い」――そう言い切る背中には、確かに今も鋼の気配があった。
けれどその鋼にも、時には油を差し、休ませる時間が要る。
……教える者だからこそ、身をもって“休む強さ”も示してほしい。


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