診療記録018:幻に宿る生命
本日の来院者は、緊張した面持ちのエレゼン・シェーダー族の女性冒険者でした。彼女の訴えは深刻で、「胎動を感じるのに、妊娠のはずがない」というものでした。 問診を進めると、先日討伐した魔物の放った呪術に巻き込まれ、その日以降 […]
本日の来院者は、緊張した面持ちのエレゼン・シェーダー族の女性冒険者でした。彼女の訴えは深刻で、「胎動を感じるのに、妊娠のはずがない」というものでした。 問診を進めると、先日討伐した魔物の放った呪術に巻き込まれ、その日以降 […]
本日は前回の経過観察のための再診。患者は明るい笑顔で診療所を訪れ、今回は夫も同行していた。 「おかげさまで、あれからすっかり痛みもなくなりました。でも……この人がどうしても一緒に来たいって言い張って……」そう言って少し照 […]
「少しお腹が下がったような気がして……」彼女がそう言って来院したのは、妊娠20週目に入ったばかりの頃だった。触診とエーテル視を丁寧に行う中で、私は眉をひそめた。胎動の位置がやや高く、骨盤のほうに頭部が来ていない。 さらに […]
本日は、妊娠8週で妊娠が判明した患者の定期検診。妊娠12週となり、つわりによる食欲低下や倦怠感を訴えて来院。 脈診・腹部の触診・エーテル視いずれにおいても、胎児の成育は良好。つわり症状も過度なものではなく、妊娠初期に見ら […]
午前の終わり、診療所の扉が控えめにノックされた。入ってきたのは、白い髪と深い紅の瞳をもったララフェルの少女。 言葉少なに椅子に座ると、彼女は顔を強ばらせながら「……下着が、赤くなってたの。止まらないの」とぽつり。 詳細を […]
今朝の診療所に訪れたのは、農作業帰りと思しきララフェルの女性。配偶者と小さな畑を営んでおられるとのこと。日焼けした頬と、土の香りが印象的な方でした。 「ここ二月ほど、月のものが来ておらず、身体がどこか重だるい」との訴え。 […]