診療記録028:呼び戻す声、もう一度の一歩
- 種族
- ヴィナ・ヴィエラ / 男性 / 25歳
- 職業
- 冒険者
- 経過
- 右踵腱断裂に対する組織修復術後。リハビリを開始するも痛みにより挫折、その後拒絶。
- 診断
- 再診より1週間ぶりの来院。仲間の励ましによりリハビリ再開を決意。
- 処置
- 再び歩行訓練を開始。心理的サポートとリハビリ計画の再調整。
先週、竜騎士は診療所の敷居をまたがなかった。
リハビリを放棄し、心まで折れたまま、部屋に籠もっていたという。
そんな彼を診療所へ連れてきたのは、同じパーティのナイトだった。
逞しい腕に半ば引きずられるようにして現れた竜騎士は、無精ひげを生やし、目の下には深い影があった。
「無理やりで悪いな、先生。でもコイツ、また立ち直らせてやってほしい」
ナイトはそう言って彼を椅子に座らせた。
彼は顔を背け、かすれた声で吐き捨てる。
「……もう、跳べねえよ」
だが、隣にいた仲間の幻術士が静かに言葉を重ねた。
「あなたが跳ばなかったら、私たちを守れなかった場面が、何度もあった。……次は私たちが支える番だから」
その声に、彼の肩がわずかに震えた。
私は口を開いた。
「竜騎士は孤高に見えて、決して一人では跳ばない。仲間とともに戦場に立つからこそ、その跳躍に意味があるんです」
しばし沈黙。
やがて彼はうつむいたまま、ぽつりと呟いた。
「……もう一度、だけやってみる。次も投げ出すかもしれないけど……」
その言葉に、シシスがにやりと笑った。
「一度立ち直った兵は、前よりずっと強くなるもんです。……サボりは一回だけにしてもらいますけどね」
彼は苦笑し、重たい足を補助具に乗せて立ち上がった。
まだぎこちないが――確かに、再び一歩が刻まれた。
私的記録:
誰かの声が、沈んだ心を呼び戻す。
それは治療でも魔法でもなく、ただの言葉かもしれない。
けれど、その一歩を踏み出させるのに十分な力を持つ。――彼はまた、跳躍へ向けて歩き始めた。
3件のコメント
どもども!こっちにコメントしてみましたー!☺️
この竜騎士さんのその後が気がかりだったので、またお話が読めてうれしいです…!
仲間に支えてもらい、また立ち上がれましたね…😌
どうか頑張って治療続けられますように…🥳
いつも感想ありがとうございます!
仲間とともに立ってこそのパーティですからね。
リハビリに復帰した彼のその後、ご期待下さい。
どもども!こっちでコメントしてみましたー!☺️
竜騎士さんのその後が気がかりだったのでまたお話読めてうれしいです…!
仲間の支えでまた立ち上がれましたね…少し安心しました😌
このままどうか治療頑張れますように…🥳
(1回目コメント入力失敗?したっぽくて、もしコメントがダブってたらすみません🙇)