診療記録016:心配性な旦那様と、穏やかな朝

種族
ララフェル・プレーンフォーク / 女性 / 31歳
職業
農婦
配偶者
ララフェル・プレーンフォーク / 男性 / 28歳
主訴
前回指導による経過観察の再来院
診断
痛みは消失。妊娠経過は順調。胎児の成育も良好。
処置
現時点で異常所見なし。次回定期検診まで通常通りの生活で問題なし。

本日は前回の経過観察のための再診。
患者は明るい笑顔で診療所を訪れ、今回は夫も同行していた。

「おかげさまで、あれからすっかり痛みもなくなりました。
でも……この人がどうしても一緒に来たいって言い張って……」
そう言って少し照れたように笑う。

夫は緊張した面持ちで私に頭を下げると、開口一番こう言った。

「先生……妻と、腹の子が無事か、もう一度ちゃんと診ていただけませんか。
はじめての子なんです。……しかも、ふたり。」

私は丁寧に触診とエーテル視を行い、胎児の動きと母体の状態を確認。
双胎ともに元気に育っており、母体の循環にも問題はないことを伝えると、彼は深く息を吐いて安堵の表情を浮かべた。

妻は笑って夫の腕を軽く叩きながら、「この人、毎晩『本当に大丈夫か』って聞いてくるんですよ」と愚痴りつつ、嬉しそうに彼の手を握っていた。


私的記録:

妊娠しているのは彼女ひとりでも、命を育てているのはふたりだ。
その姿が、今の私にはとても眩しく見える。
次は胎児の向きを確認する時期。
できれば、この穏やかな時間がずっと続いてほしい。

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