診療記録001:アンテロープの肉はよく焼いてから

種族
エレゼン・フォレスター / 男女二名
職業
双蛇党事務員
主訴
吐き気、嘔吐、発熱
診断
急性胃腸炎(食中毒)
処置
胃腸薬および虫下しの処方。調理衛生に関する生活指導を実施。

今朝方、双蛇党の制服を着た若いエレゼンの男女が揃って診療所へ。
顔色が悪く、ややふらついた様子で、交互に症状を訴えられました。

「朝から吐き気と寒気が止まらなくて……」
「昨夜、隣人の鬼哭隊の方にいただいたアンテロープの肉を焼いて食べたんですが……もしかして、それが?」

――はい、十中八九、それが原因です。

加熱が不十分であった可能性が高く、問診からも食後すぐの発症であることを確認いたしました。
急性胃腸炎、いわゆる軽度の食中毒と診断し、必要な薬剤を処方いたしました。


「お気持ちは分かりますが、“お裾分け”には調理の責任もついてきます。
いただいた食材でも、火を通すところまでが自己管理です」

と、少々強めに申し上げましたが、お二人とも神妙に頷かれておりました。


私的記録:

若い事務官は礼儀正しく、気遣いもできるが、食事管理が甘い。
これも“お役目”のひとつ。しっかり覚えていただきたい。
……にしても、朝から二人同時に嘔吐されるのは、さすがに疲れますね。

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